債務整理 弁護士事務所 Q&A

多重債務者とはどういう人のことですか?

多重債務者とは,消費者金融やクレジットカード会社など,複数の貸金業者から借金をし,その返済が困難になっている人をいいます。 貸金業者が加入する全国信用情報センター連合会(全情連)は,加盟する貸金業者5社以上から借金をしている多重債務者が全国に139万人も存在すると発表しています(2007年12月5日現在)。

このうち,自己破産を申し立てる人は年間約17万人(2007年)であり,民事再生や任意整理等の手続を含めても,弁護士に債務整理を依頼する人はほんの一部にすぎません。依然として500万人以上の人が,現在でも借金の返済で苦しみ続けているといわれています。

どの手続きも自分で出来ますか?

債務整理は,本人が自ら行うことはもちろん可能です。 しかし,事件の内容によっては,複雑な法律問題を含んでいたり,裁判所や貸金業者と何度も複雑なやり取りをしなければならない場合があり,すべてを自分で行うには大変な労力が必要となります。また,特に任意整理や過払い金の返還請求等の場合,貸金業者は交渉のプロですので,本人が必ずしも有利な交渉を行うことができない可能性があります。

そのため,複雑な法律問題を含んでいる場合や仕事等で十分な時間を確保できない場合には,法律家である弁護士に依頼する方が賢明なケースもあります。また,法律家に依頼すると,以後の取立・返済を止めることができるというメリットもあります。

債務整理の方法を選択する基準を教えてください。

自己破産は借金が免責されるため,多重債務者の方が生活を立て直す上で経済的に最も有利な手続であり,しかも,そのデメリットは非常に限定されたものです。 そのため,債務整理の手続を選択する際には,まず自己破産が可能かどうかを検討し,自己破産によるデメリットが重大な場合には他の手続を検討することになります。

そして,自己破産を選択すべきかどうかは,借金の総額を,毎月の収入から家賃・生活費等の諸経費を差し引いた金額(無理なく返済が可能な金額)で割った場合に,36ヶ月を下回るか,つまり3年程度で返済可能かどうかが一つの基準となります。3年では返済が困難な場合で,処分の対象となる高価な財産をお持ちでない場合には自己破産を検討することをお勧めします。

債務整理をしたら官報に掲載されるのですか?

法律上,自己破産・民事再生の場合,裁判所の決定内容を官報に公告することが規定されています。 官報には,自己破産の場合は破産手続開始決定・免責許可決定の2回,民事再生の場合は再生手続開始決定・書面による決議に付する旨の決定・再生計画認可決定の3回公告されます。任意整理の場合には,官報に公告されることはありません。

弁護士に債務整理を依頼すると取立は止まりますか?

債務整理を弁護士に依頼すると,弁護士は貸金業者に対して受任通知(弁護士介入通知)を発送し,債務者から債務整理の依頼を受けた旨を貸金業者に通知します。貸金業法では,貸金業者が弁護士から受任通知を受け取った後は,債務者本人に対して直接請求行為を行うことを禁止していますので,弁護士に債務整理を依頼すると貸金業者からの取立が止まります。依頼後に貸金業者から請求行為があった場合には,直ちに依頼している弁護士に相談すべきです。
ただし,貸金業者でない個人からの借金の場合には,貸金業規制法の適用がないため,弁護士に依頼後も請求行為が継続する可能性があります。

弁護士に債務整理を依頼した後も貸金業者へ返済しなければならないのですか?

自己破産・民事再生では,裁判手続で債務整理を行うことになりますので,弁護士へ依頼後,手続が確定するまでの間は貸金業者へ返済する必要はありません。また,任意整理の場合も,借金額を確定させるまで一旦返済はストップさせます。

なお,民事再生においてローンのある住宅を所有している場合,住宅ローンは減額の対象外であり,今後も返済していくことが前提となります。そのため,民事再生では,弁護士に依頼した後も住宅ローンは,これまで通り返済していく必要があります。